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たきざわ×わかもの紹介 古澤洋将さん

🔷プロフィール

小学校:滝沢小学校
中学校:滝沢中学校
高 校:岩手県立盛岡北高校
大 学:筑波大学大学院システム情報工学科
所 属:炎重工(株)
滝沢市で起業して9年目



🔷炎重工の概要

2016年に滝沢市穴口で創業。水上ドローンや遠隔モニタリング用水中カメラ等の製品開発、世界初の生体群制御®(非接触・非侵襲で魚群を誘導する技術)を活用した食糧生産の自動化に挑戦しています。
今は3つの拠点があり、滝沢市の本社は主に製造、東京支社は管理、東京研究所が東京海洋大学の中にあり研究をメインに行っています。

水上ドローン

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🔷古澤さんへのインタビュー🎤

ーーUターンで地元滝沢市へ戻り会社を創業したきっかけは何ですか

きっかけは東日本大震災です。山田町の漁師の親戚の家が被災したのを見て何か地域でできることはないかを考え「地元に雇用を作りたい。地方でも技術者が働ける場所を作りたい。」という思いが芽生えました。当時は滝沢市に戻ろうと思っても働く場所がなかったので起業するしかなかったです。

取材風景(東京支社の広報担当の方もオンラインで参加)

ーー仕事をする上で大切にしているものは何ですか。

体調管理です。健康第一。
その他は現場を見ないと本当に役に立つものが作れないため現場に行くようにしています。全国各地お客様のいる場所に行き、お客様が求めているものと製品の齟齬をいかに埋めるかを考えています。私も代表としてではなくエンジニアとして作業着で現場に行きます。

ーーこれまでで印象に残っている仕事は何ですか。

前職のつくば市のサイバーダイン社で携わっていたロボットスーツの開発でしょうか。歩行補助やリハビリ等に使える機械ですが、電気を専門としているので中身をほぼ設計しました。製品化に向けて医療機器に必要な試験をパスしなければならなかったり、ドキュメントがそろっていなかったり、実証が不足していたり…。大量の治験データが必要だったので、私は再設計・電気試験や電波試験、性能試験等の再試験をひたすら実施しました。

ーー企業に勤めていた経験が活かされていることはありますか。

メーカーでものづくりの仕方を知らないと製品を作れないと思っています。
動くものを1個だけ作ることはできますが、それを100個、1,000個作るためには法律やドキュメントの束ややらなければならないことがたくさんあって、それはメーカーでなければ経験できないですし諸先輩方から教えられないとわからないことなのでそれを経験できたことはありがたいことでした。企業で働きながらも30歳くらいまでずっと勉強していた感じです。

ーー炎重工を創業されて今はどうですか。

小型水上ドローンでは、業界を先導するポジションを取っているのではないかと思います。ロボットスーツでサイバーダイン社が業界を先導する企業なので水上ドローンでこのポジションにこられたことが良かったなと思います。

水上救助ドローン
水上点検ドローン

ーー水上ドローンというと「海床(うみどこ)ロボット」が2025大阪・関西万博の実証実験に選ばれたとのことですが。

はい。竹中工務店や東京海洋大学等8者でコンソーシアムをつくりその一員として海床ロボットの開発に参加をしています。大阪城公園の東外堀で高精度の位置制御を行い桟橋への「自動離着岸」を実証しました。

海床ロボットは水の上に3m×3mの大きいタイルのようなモジュールを浮かべるのが基本設計で、その上に客席があると旅客船になったり作業船としてごみ回収もできるユニットです。万博ではごみ回収ともう一つは見てのお楽しみの仕掛けを考えています。

海床ロボットは全く揺れないため今まで実証で何百人かに乗っていただいていますが船酔いはゼロです。船ではなく動く床という感じですね。それはすごい強みだと思います。

海床ロボット大阪城公園東外堀での実証実験の様子
動画提供:海床ロボットコンソーシアム

ーー仕事をしていてつらかったことは何ですか。

趣味と仕事がほぼいっしょなのでつらいことはあまりないです。社長業よりエンジニアとして物を作っている方が楽しいですね。たまに風邪をひく方がつらいです。

水上ドローン開発の様子。古澤さんが自ら実践

ーー学生時代に力を入れたことは何ですか。

ソフトウェア・ロボット系なのでものづくり・電気もやりました。小学生の時にインターネットを触ったり、中学校に入って自分専用のパソコンを買ってもらったり。プログラミングをやったのが8歳、はんだこてを触ったのが6歳、ハードウェアにふりきったのが大学に入ってからです。
中学校は科学部でしたが滝中でよかったことはパソコンがたくさんあったこととエアコンが入っていたこと。盛岡北高校は物理部という名のコンピューター部でした。高校時代からロボットコンテストに出場し筑波大学ではコミュニケーションロボットの研究をしていました。

ーー滝沢市のいちおしは何ですか。

ご飯がうまいことですね。実家が農家なので今だと季節の食材として茗荷やネギを食べていますし、もう少し経つとキノコや春の山菜も。色々なところに行きましたが本州でもトップクラスにご飯がうまいと思います。

ーーこれから挑戦したいことは何かありますか。

宇宙に行きたいです。陸と海の免許はほとんど持っていますが、空は持っていないので飛行機かヘリの免許は取りたいと思っており宇宙にも行ってみたいです。
会社としては「食糧生産を自動化して世界の飢えを解決すること」をミッションとして魚や肉等のタンパク質の生産自動化を主に取り組んでいます。その目標は今もかわらず「うまいものを食おうぜ」という思いです。食事が一番です。

新発売の超小型水上ドローン Swimmy Eye

ーーわかものに向けてメッセージをお願いします。

健康第一ということとよく学びよく遊んでください。

ーー古澤さん今日はありがとうございました。


🔷水上ドローンのご紹介

水上ドローンのデモを見せていただきました。重さ約10キロなので持ち運びも難しくありません。スピードもあり小回りもききます。コントローラーで自在に操れました。

水上ドローンカメラからの映像。よく見えます。
ドローンの底にあるカメラで水中の様子もわかります

🔵水上調査・点検ドローン

🔵水上清掃ドローン


広報担当の方からは、古澤さんが地元に戻り自分の持つ技術で地元で会社を立ち上げたことのすごさ。未来へつなぐという思いと震災復興として元に戻すだけでなくその先を考えての起業ということに感銘を受けましたとの話もありました。
水上ドローンや生体群制御®といった制御技術を用いて食糧生産自動化への挑戦をする炎重工。滝沢市から世界へ挑戦を続けています。

様々な情報発信をされていますのでぜひご覧ください!
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